私たちがまだ猿だった頃、私たちの体は、全体がたくさんの体毛に覆われていました。
進化とともに多くの体毛は失われてしまいましたが、それでも、頭皮には、いまだたくさんの毛髪が残っています。
このページでは、進化を経てなお失われることのなかった毛髪の役割についてご紹介しましょう。
毛髪にはたくさんの役割がありますが、大まかに分けると、頭の保護や毒物の排除といった体を守る役割と、見た目やファッションといった周囲との関わりについての役割に分類されます。
とりわけ、熱や刺激に弱い脳を守るという役割がもっとも重要になります。
毛髪は、頭、とくにその内側にある脳を、物理的な衝撃や刺激から守る役割を持っています。
毛髪があることで、飛んできた小石が直接頭に当たってケガをしたり、ハチなどの虫に刺されたりするのを防ぐことができます。いわば、クッションの働きを持っているのです。
さらに、私たちは、毛髪に少しでも何かが触れると「何かが触れた」ことをすぐに感じ取れるようになっています。このため、頭皮に直接影響が及ぶ前に、危険を察知して避けることができるのです。
毛髪は、頭の温度を保つ役割も持っています。
とくに脳は、温度の変化に弱い臓器です。熱すぎても、寒すぎても、最高のパフォーマンスで働くことはできません。
毛髪は、外からの熱を代わりに吸収することで、頭の温度が上がりすぎるのを防ぐとともに、気温の低い場所では、頭から熱が逃げるのを防いでくれます。つまり、頭にとっての断熱材として働いてくれるのです。
頭の上から降り注ぐ日光には、たくさんの紫外線が含まれています。紫外線は細胞にダメージを与えるため、日光を直接浴びすぎることは、皮膚にとって良くありません。
毛髪は、日光の紫外線が直接頭皮に降り注ぐのを防ぐことで、頭皮やその内側の脳を守る、いわば、バリアの働きをしているのです。
毛髪には、体内に取り込み過ぎた重金属(じゅうきんぞく)を、体外へ排出する役割を持っています。
重金属は、クロム、ヒ素、水銀や鉛(なまり)といった、生物に対して毒性を持った物質であり、大量に体内に入ると、健康を崩してしまいます。そのため、私たちの体には、体内の重金属を毛髪にため込んでおき、毛髪が抜ける時に一緒に体外へ追い出してしまうシステムが備わっています。
髪型や色など、ファッションを楽しむことで、周囲の人や自分の心にプラスの働きかけを行うことができます。
髪型は、ファッションの一部として楽しまれるものであると同時に、自分の性格や人間性といった印象を、相手に伝える役割を持っています。
また、周囲の人への働きかけだけでなく、髪型を整えることで、自分の心の安定にもつながるといった働きも持っています。
また、かつて中世の時代までは、髪の長さが魔力の象徴として、神聖視されていたこともあるようです。昔の人々も今と変わらず、髪型に対して特別な想いを持っていたことがうかがえます。
毛髪の色も、髪型と同様に、周囲の人へ自分の印象を伝えることができますし、ファッションを楽しむ要素として、気持ちを外へ向けてくれる働きを持っています。
また、髪の色によって、自分の国や地域のアイデンティティが表現される場合もあります。アジア人に黒髪が似合う、金髪の似合う欧米人といった感性には、ファッションよりも深い意味が込められている場合があるのです。
[管理人:山下]
〒532-0023
大阪市淀川区十三東
1-18-28-2F
TEL.06-6101-3955
FAX.06-6101-3958
→免責事項